家庭における子どもたちの仕事と雑用

インタビューを受けた人々は、家庭や農業のいろいろな手伝いや雑用をした思い出を語った。特に女の子は、幼い弟や妹の子守りをすることが多かった。それは、親達が家や農業関係の仕事で忙しかったからだ。(井戸や近くの川から水を運んで)風呂に水を汲んだり、焚き木で風呂の湯を湧かしたり、風呂釜を掃除したりした人も多い。農家で育った人々は、多様な農業関係の仕事について回想しており、その内容も地域の作物によって大きく異なる。稲や麦を栽培する地域では、田植えや草取り、稲刈り、籾干しの手伝い、麦踏みなどについて回想している。青森のりんご農家の出身者によると、虫除けのスプレーやりんごに袋を被せる手伝いについて語り、長野など養蚕を行う地方の出身者によると、桑の葉を集めて蚕に食べさせ、蚕の箱を掃除するなどの用事があったそうだ。馬や牛などを飼っている農家では、家畜に食べさせる草を刈るのも子供たちの仕事だった。

ピーター・ケイブ

文献の記載方法 

ピーター・ケイブ 「家庭における子どもたちの仕事と雑用」近代日本における子どもおよび青年の生活と教育 [URLおよびアクセス日を追加]